
経営者としてあなたは、いつもお客様のことを考えていることでしょう。
ただし、考える順番を間違えると、あまり良いアイディアは浮かんでこないかもしれません。
あなたはこんな問いかけを自分にしていませんか。
「どうしたらもっと買ってもらえるだろうか?」
「どんな商品を作れば良いだろうか?」
「どこをどう改良すれば、もっと良い商品になるだろうか?」
たしかに、これらはどれも悪くない問いかけです。
しかし、お客様に「何を」「どのように」買っていただくかを十分考えるには、それより先に突き詰めておくべきことがあるのです。
最初にあるのは
それは、あなたが誰に向けて価値を届けようとしているか、ということです。
あなたが誰を応援したいのか、はっきりさせなければならないのです。
「誰」と言っても、たとえば、「女性を応援したい」というだけで大丈夫でしょうか。
このような大ざっぱな考えでは、必ずしも十分とは言えません。
ちょっと思い浮かべてみるだけでも、10代の女性と60代の女性では、生活のほとんどが違っているでしょう。
広範囲の人を助けたい、という経営者のお気持ちは理解できるのですが、かえってお客様の役に立つことが難しくなります。
では、「誰」を「30代の女性」と考えるとどうでしょうか。
さきほどより少し、どんな女性なのかわかってきますが、それでもまだまだです。
日々仕事に励んでいる30代の女性と、仕事から離れて育児中の30代の女性では、やはり生活環境はかなり違うでしょう。
そこで、もっと具体的に、「30代の働く女性」を手助けしようとするなら、お客様の姿がよりはっきりしてきます。
しかし、ここでやめてはいけません。
もう1つ考えを進めましょう。
この人たちに共通する悩みや願いは何でしょうか。
それをきちんと探り出すことが大事です。
あなたが調べてみると、たとえば、30代の働く女性は仕事が忙しく、睡眠不足に悩んでいるかもしれません。
そこで、「誰」とは「睡眠不足に悩む30代の働く女性」ということになってきます。
「誰」から始まる
このように、あなたが応援したい人の悩み、不満、願い、夢などが明確であればあるほど、その先もはっきり見えてきます。
そのお客様にどんな商品を提供すれば喜んでもらえるのか、具体的にわかるようになるのです。
あなたは、事業を通じてできるだけ多くの人の役に立ちたいと思うことでしょう。
その志はもっともですが、誰を助けるのかがぼやけていると、提供できる価値もあいまいになり、したがって商品もぼやけたものができあがってしまいます。
まずは、この悩みを持っている人、この願いを持っている人、と焦点を絞って、その人に提供できる価値を突き詰めていってください。
そこを起点に、将来的には別のお客様に広がったり、同じお客様の別の悩みを解決したり、願いを叶えたり、と事業が発展していくことでしょう。
あなたは誰を幸せにしたいのか、そこからスタートしましょう。
追伸:
人を幸せにできる経営者だけが
知っている秘密

脇田 優美子
