
商品やサービスには、目で見て認識できる価値だけでなく、目には見えない価値が内在しています。
あなたが何を売っていようとも、ほとんどの商品やサービスには、まだ発見されていない隠れた価値があるのです。
隠れた価値には
・チャンス
・可能性
・将来性
・背景
・物語
・つながり
・帰属
・承認
など様々な要素があります。
あなたは、自社の商品やサービスの隠れた価値を明らかにできていますか。
飛ぶように売れるわけ
たとえば、ぬいぐるみについて考えてみましょう。
ぬいぐるみという商品は、ずいぶん昔からある商品です。
相当アナログな存在ですが、今も飛ぶように売れ続けています。
高級ブランドがぬいぐるみを販売すれば、ちょっとした宝飾品並みの価格が付きます。
テーマパークでは毎月のように、実に多くの種類のぬいぐるみが、新商品として投入されます。
そして、そのすべてを順番に買い集めるお客様が大勢います。
新商品は、シーズンやテーマごとに、キャラクターは同じで、ファッションが変わるだけだったりします。
しかもキャラクターのブランド価値が反映されているため、安価とは言えない価格です。
にもかかわらず、1年に何個も、あるいは10個以上も、さまざまなキャラクターのぬいぐるみを買い求める人や、同じキャラクターのぬいぐるみを繰り返し購入する人々が本当にたくさんいるのです。
テーマパークでは、ぬいぐるみをゲームの景品にもしており、そこにも凄まじい行列ができます。
海外のテーマパークのゲームでも同様で、ぬいぐるみは景品としてとても人気があります。
もしあなたが経営者という立場にいながら、
「ぬいぐるみは子供向けの商品だろう」
と思っているとしたら、それは大きな勘違いです。
ぬいぐるみは、子供は言うまでもなく、若い女性も男性も、中高年の女性も男性も、自分自身のために購入しているのです。
彼らは、ぬいぐるみ自体の価値を求めて買っているのでしょうか。
可愛いデザインのふわふわした布のかたまりに、価値を感じているということなのでしょうか。
真の価値を見抜く
ぬいぐるみを買い求める人々の本当の購入動機は、
承認欲求
帰属欲求
機会損失への恐怖
体験価値
物語
などの要素が複合したものです。
これらの購入動機ひとつひとつの内容については、ここでお伝えし切れません。
しかし、上に述べたそれぞれの感情や本能が足し合わさり、「買いたい!」という強い欲求が生み出され、迷いなく購入の決断をしているのです。
そのぬいぐるみを購入する行為に大きな意味があり、ぬいぐるみ自体の価値は副次的とも言えます。
このようなお客様の購入動機を確かめたければ、有名なテーマパークでぬいぐるみを抱いて歩く人、たくさん身につけて歩く人、老若男女をじっくり観察してみるとよいでしょう。
大事なのは、あなたが街中でそうしたぬいぐるみを目にした時、ぬいぐるみを持つ大人たちを見かけた時に、その商品が内包する価値をどれだけ見抜くことができるのか、なのです。
そして、そのような隠れた価値を、自社の商品やサービスからどれだけ引き出せるのかを考えることです。
目新しい商品やサービスを考えようとする経営者の努力を否定するものではありませんが、今目の前にあるあなたの商品にも、多くの隠れた価値が眠っているはずです。
あなたの商品やサービスは、あなたから価値を引き出してもらえるのを待っているのです。
追伸:
あなたの商品の隠れた価値を発見する方法

脇田 優美子
