
経営者としての、あなたの目的は何ですか。
あなたは事業を通じて、最終的に何を成し遂げたいでしょうか。
あなたは今、目的を明確にすえて生きていらっしゃるでしょうか。
高い次元の目的を定めないまま事業運営を続けていると、いつしか目的と目標の区別があいまいになっていきます。
陥りがちなのが、売上を伸ばすことに血道をあげるようになることです。
売上を上げていくことは非常に大切ですが、本来は目標であって目的ではないはずです。
目標だけで進むとどうなるか
売上目標が目的化してしまうことの大きな問題のひとつは、モラルの低下です。
プレッシャーにむしばまれ、倫理観が失われ、お客様や取引先などを踏みにじっていくようなほころびが生まれます。
社員の心を支える目的がない状態は、とても危険なのです。
目的のない経営、理念のない事業運営が危ういと言われる理由は、目標だけで進むことによる様々な弊害が予測できるからです。
当然のことながら、理念すなわち目的は、自社にかかわる人々に共有されてその力を発揮するものです。
そうは言っても、まずは自社の社員を支えるものとして不可欠でしょう。
明確な目的は、社員にとっての行動指針となるものですから、軽んじてはなりません。
目的と成果
仕事の成果という観点から見ても、大きな目的、高次な目的を持つことには効果があります。
社員の心に、人間としての誇り、使命感が生まれるきっかけとなります。
目的を共有できた時には一体感が醸成され、目的にかなう目標達成を目指す状況が、自然と生まれてきます。
目的の実現を具体的な目標に落とし込むと、実行がより容易になり、成果に結びつきやすくなるのです。
目的と目標を明確に分けることで、目標達成の手段を明確にしやすいからです。
これにより、行き当たりばったりの行動を回避でき、目的と目標を照らし合わせて進んでいけるでしょう。
たとえるなら、目的というのは北極星のように天高くあるものです。
常に旅人を支え、進むべき方向を教えてくれる存在です。
したがって、経営者の重要なつとめは、北極星のような揺るぎない目的を明示することである、と言えるでしょう。
経営者の真剣な思いが試されるのです。
付け焼き刃や、どこかからの借り物ではない、自社の目的をしっかりと抱いて、力強く前進していってください。
追伸:
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脇田 優美子
