
経営者のあなたは、苦労を苦労とも思わず、プレッシャーをはねのけ、365日休みなく仕事に邁進してこられたことでしょう。
特に中小企業の経営者であれば、昼夜なく働くのが当たり前、というくらいの感覚をお持ちかもしれません。
しかし、働き方改革を取り上げるまでもなく、仕事に対する世の中の価値観は様変わりしています。
経営者のこれまでの価値観を押し通そうとすると、会社が回らなくなる可能性があるのです。
競争したくない
今の日本は、働くことに対する価値観の転換期にあります。
終身雇用がすでに崩れ、ひとつの会社で長く働くことが重視されなくなっています。
かつては強かった、社内での出世に対する欲求も今はかなり薄れています。
がむしゃらに働いたとしても、給料がさほど増えるわけでもない会社がほとんどという状況で、人と競争して人生をすり減らしたくない、と多くの人々が思うようになりました。
経営者にとっては意外かもしれませんが、競争や少々の給料アップは、社員にとってもはや頑張る動機ではないのです。
たとえ給料がそれなりに上がるとしても、仕事の負担が増えるのは嫌だと考える人も増えてきました。
経営者から役職につくことを打診されたら断る、という社員も今は珍しくありません。
それよりもむしろ、プライベートを大切にしたい、ゆったりと過ごせる時間がほしい、という価値観のほうが大きくなっています。
変えないとどうなる?
経営者がこの時代の流れに抵抗したらどうなるでしょうか。
まず影響が出るのは採用です。
中でも、休みの少ない会社は真っ先に敬遠されてしまいます。
勤務時間が長い会社も人が集まりません。
同業他社より高い給料を払っても状況はあまり変わらないでしょう。
給料に魅力を感じて入社してきた社員も、もっと休める会社にすぐ転職してしまうのです。
今時、あなたの会社の実態はインターネット上に書き込まれ、その内容が事実であれば書き込みを阻止することはできません。
休みの少ない会社、労働時間が長い会社は世間に知れ渡ります。
言うまでもなく、会社の成長を考えると、人が採用できないのは非常に問題です。
しかも、今在籍している社員も、もっと休めて条件のよい会社が見つかれば転職してしまいかねないとしたら、ここで見直すタイミングではないでしょうか。
変化に応ずる
やはり経営者として、自社の休みを増やしながらも、利益を維持、あるいはアップできるしくみの構築が不可欠でしょう。
実のところ、休みを増やすとかえって売上が伸びて利益が増える会社は多いのです。
その理由は、これまでのやり方の無駄を省くだけでなく、事業運営をもとから見直すことになるからです。
現状のやり方が最適ではなかったことに気づき、思い込みを外して様々な工夫をすることで、社員の働き方を一新することができるのです。
転職希望者がたくさん集まってくるような、利益が出て休める会社に変えていくことは可能です。
社会の価値観の変化を受け入れて、経営者が自身の思考を転換しましょう。
追伸:
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脇田 優美子
