
経営者のあなたにとって、職場の生産性を上げることは必須の課題でしょう。
生産性というと、業務の改善に真っ先に取り組もうとするかもしれません。
しかし、ちょっと考えてみてください。
社員にとって、職場におけるいちばん大きな悩みが何か、ご存じでしょうか。
突き詰めて言うと、人間関係の悩みです。
上司がどうにも好きになれない、苦手な同僚がいる、自分だけ浮いている、誰かに嫌がらせさられているなど…。
こうした理由で仕事を辞める人は後を断ちません。
生産性を下げている本当の問題
生産性を下げているように見える要因が、たとえ業務の遂行方法にあるように見えても、そこに潜む本当の問題は、往々にして人間関係にあります。
もし、あなたの会社が、
「反抗的な部下と、仕事のやり取りをするのが苦痛」
「嫌いな同僚には身構える」
「尊敬できない上司の指示を聞くのが不快」
など、不愉快な気持ちで仕事をしている社員ばかりだったらどうでしょうか。
人間誰しも、嫌な気持ちを抱えたままで仕事がはかどるわけがありません。
こうしたマイナスの人間関係が職場に蔓延していたなら、生産性はひどく落ちている状態でしょう。
伝達の不備があちらこちらで起こったり、ミスを互いに相手のせいにする場面が頻発して、仕事のスピードも上がらず、ギスギスとした雰囲気に陥ってしまいます。
職場が楽しくないというのは、生産性には致命的です。
土台から解決しないと無理
人間関係の悪い職場では、実のところ業務の改善もうまくいきません。
人間関係が悪ければ、
「自分はこんなに大変なのに、また仕事を押し付けられるのか?」
「上司は口ばかりだ」
「同僚の中で、自分だけ損してる」
こんな後ろ向きな感情が渦巻いてしまうのです。
そのため自主的な改善が生まれにくく、改善すら上から押しつけになってしまいがちです。
社員それぞれが、相手の負担を軽くしてあげよう、皆にとって良くなる解決を考えよう、と前向きな解決策を探す気持ちになれるのは、人間関係が良い職場だけなのです。
生産性向上の解決策
経営者が生産性を上げたいと思うなら、はじめに手をつけるべきはコミュニケーションです。
あなたと幹部社員、幹部社員と管理職、管理職と部下、同僚同士、あるいはこうした垣根を取り払って、とにかく語り合う場を設けましょう。
1つの方法として朝礼があります。
朝礼の活用は奥が深く、工夫次第で活発なコミュニケーションが実現できます。
経営者が一方的に訓示を垂れているのに社員は無反応な朝礼や、社員が仕方なくスピーチしているけれど誰もが嫌がっている朝礼などは逆効果です。
朝から楽しく前向きに、安心感をもって仕事に打ち込める効果を朝礼に持たせるには、どうしたらよいでしょうか。
まずは経営者や幹部社員、管理職から、部下と距離感を縮める語りの時間をつくるのもよいですね。
そうしてだんだんと、社員ひとりひとりが積極的に、自分の現状や気持ちを開示していける流れを生み出していきましょう。
立場にかかわらず意見が言える安心な場をつくれれば、業務の改善提案などがどんどん出てくる朝礼にすることができるでしょう。
朝礼ひとつとっても、経営者がどこまで本気で取り組めるかで職場の人間関係が変わります。
そこから業務改善に手をつけるとスムーズです。
経営者は、生産性を上げるには、どうすれば全社のコミュニケーションをよくできるか、考えてみて損はないでしょう。
追伸:
コミュニケーションが盛り上がる
会社に隠された2つの秘密

脇田 優美子
