
お客様が、ある商品やサービスをほしいと感じるのは、その商品やサービスを使って何かを実現したいからです。
商品そのものがほしいわけではなく、その商品が自分の願いを叶えてくれると思って買うのです。
ところが、多くの経営者は、自社の商品やサービス自体を売り込んでいます。
「この商品は素晴らしいです!」
「他社より優れています!」
お客様がほしいのは商品ではないのですから、こういった主張は、お客様の気持ちと噛み合っていないのです。
何を実現したいのか
それでは、お客様はいったい何がほしいのでしょうか。
あなたの商品やサービスを買ってもらうには、まずそれを知ることからです。
たとえば、ある女性が素敵な靴を買いたいと思っているとします。
いつ、どんなシーンで、どんな目的でその靴をはきたいのでしょうか。
華やかなパーティだとしたら、ドレスに負けない光沢のハイヒールや、ビジューをたくさんあしらった豪華なパンプスなどがふさわしいでしょう。
デートで街の中を歩くとしたら、おしゃれでも歩きやすいデザインでないと、足が痛くてデートが台無しになってしまいます。
まずは、お客様の実現したい目的をよく知って、それから一緒に最適なものを選んでいく、というのが順序でしょう。
買ってもらわなくていい
そして、もしお客様の目的に合う靴が自分のお店になかったら、どうしたらよいでしょうか。
お客様は靴がほしいのではなくて、実現したい未来がほしいのです。
お客様と一緒に考えて、それを叶えることができない時は、無理に買ってもらおうとしないことです。
それによって目先の売上は増えない代わりに、お客様からの信用は増えていくでしょう。
お客様にとっていちばん良い結果になるように一緒に考える姿勢が、次に買ってもらえるチャンスを生み出すからです。
靴を気に入ってもらうよりも、お客様の立場で一緒に考える姿勢を気に入ってもらうほうが、会社の成長につながるのです。
追伸
経営者のあり方、考え方が
会社の未来を決めます。

脇田 優美子
