
経営者としてあなたは、売上を増やすことに注力していますか。
それとも、顧客を増やすことに力を入れているでしょうか。
この考え方の違いは、ビジネス全体に大きな影響があります。
経営者がどちらを目指すかによって、個々の戦術に至るまで違ってくるからです。
売上を増やすという考え方
売上を増やしたいなら、販売促進に今以上に力を入れたり、海外進出も含め、借入や提携によって事業を拡大したりすることができるでしょう。
ただ、売上を増やすという考え方で問題なのは、お客様との継続的なかかわりという視点があまり感じられないところです。
このところ、サブスクリプションという手法を使う企業が多くなっており、これは言葉の通り、定額の継続サービスです。
サブスクリプション方式を使えば売上は必ず増えるのか、といえば、やはりそうとも言えません。
短期間でご縁が切れて終わり、という実態も多いのです。
売上を増やす考え方では、売る先が探せなくなった時点で事業が行き詰まりやすいのが難点です。
こうなると、常に新商品、新サービスを開発しなければ会社は続かず、売上もアップダウンが激しく、苦しい経営を迫られるでしょう。
顧客を増やすという考え方
一方で、顧客を増やすという考え方は、ひとりひとりのお客様と長くお付き合いできるように、ビジネスを組み立てる考え方です。
この発想自体は日本でも古くからあったものです。
自社にとってのお客様の生涯価値、という視点の戦略です。
本来的には、自社がどうしたらもっとお客様の役に立てるか、という思いの追求が要です。
自社の商品を買ってくれるお客様に、さらに幸せになっていただくにはどうすればよいのか。
もっと自社の商品を活用してもらうと、お客様の未来はさらに良くなるのではないか。
こうした視点で自社のビジネスモデルを見直してみると、まだまだやれることがいろいろあるはずです。
たとえば、目先の利益を得ることをせず、お客様の利益をまず優先するとどうなるでしょうか。
お客様に喜ばれ、関係性が強まり、自社での購入頻度や購入額を増やしてもらえるようになるでしょう。
あるいは、商品を買ってもらうだけでなく、お客様に役に立つ知識や情報を届けていくこともできます。
それによりお客様の生活がより豊かになれば、あなたの会社をもっと好きになり、結果的に購入が増えていくことでしょう。
口コミの時代
お客様の利益を考えて組み立てるビジネスは、あなたの会社に対する評価の良い口コミも起こりやすいのです。
インターネット全盛の現在は、顧客による口コミは非常に大きな影響力があります。
企業の広告宣伝よりも、消費者同士の口コミのほうが信用される時代です。
あなたは、売上を増やしますか。
それとも顧客を増やしますか。
お客様の自己実現を叶えることが、あなたの会社の価値であることを忘れずに進みましょう。
追伸:
顧客を増やしている経営者には
こんな秘密があります。

脇田 優美子
