
経営者にとって、景気や経済危機によって需要が激減してしまうことは恐怖に違いありません。
そして、世界的な経済的危機は10年前後で巡ってくると言われています。
いつとはわかりませんが、またくるかもしれないと思っておくべきでしょう。
考えてみると、景気次第で簡単に需要が変動してしまう事業というのは、本当に社会に必要欠くべからざる事業なのでしょうか。
自社のビジネスは危ないかもしれない、と感じるならば、社会が本当に必要とする事業とは何かを、今一度真剣に考えなければならないでしょう。
景気にかかわらず、企業や個人の抱える課題は様々あります。
しかしそうした課題は、表から簡単には見えないものも多いのです。
経営者の思い込みや自社の思い入れと、社会が求めるものがずれていれば、どんなに良い商品に見えても社会に受け入れられず、事業として成り立たないのです。
経営者も社員も業務として、社会の課題を探し、顧客の隠れた課題を引き出していく必要があります。
自社の顧客のまだ解決できていない課題のヒアリング、自社事業の周辺領域の把握、自社の技術ノウハウの他業界への応用など、視点を変え、視野を広げて、調査することが欠かせません。
この調査を安易に外部委託してはなりません。
人の本当の悩みを深掘りしようと思うなら、自分たちで取り組まなければならないのです。
同時に、自社の事業と離れたところでも、世の中で人々がままならないと思っていること、思い通りにならずストレスを感じていることに目を向けましょう。
小さな気づきでも流さずに、忘れてしまわないうちにその場ですぐメモする習慣が大事です。
偏見を持たず、あらゆる人や事象から感じ取る訓練を積みましょう。
自社の活路をひらくひらめきは、ずっと考え続ける人のところにやってきます。
またくる危機に翻弄されないための準備は改まってすべきものではなく、毎日の中で行っていくべきなのです。
どうにかしなければ…と思っているだけでは、何も変わらないことだけは確かです。
社会が本当に求めているものを事業にできたなら、景気の浮き沈みにかかわらずお客様の役に立ち続けることができるでしょう。
追伸:
自社を土台から強くする方法。

脇田 優美子
