
経営の調子がいい時、あなたはどんな振る舞いをしていらっしゃるでしょうか。
調子が悪い時はどのような言動になるでしょうか。
人間は、非常によい状態の時も非常に悪い状態の時も、その人格的特徴がはっきりと出ます。
経営者が上手くいっている時、どんな発言が増え、どんな人と付き合い、どんな行動が増えるのか。
周囲はじっと見ています。
文字通り調子に乗って、脇が甘くなってはいないでしょうか。
つい慢心が出て、不遜な態度で人に接していませんか。
己を過信して、安直な判断が増えてはいないでしょうか。
勝って兜の緒を締めよ
「勝って兜の緒を締めよ」とは古くからある言葉です。
調子がいいことを喜ぶのは、例えるなら1時間のうち5分以内にとどめましょう。
残りの55分は、今こそしておくべき事柄に取り組みましょう。
重要だけれど緊急ではなく保留していた計画を実行したり、仕組みの細部を改善するなどして、他社が真似しようにも追いつけないくらいに、てこ入れや強化を図るチャンスです。
悪い時ほど弱さがあだになる
調子の悪い時のあなたは、誰かに責任を取らせるような振る舞いをしていませんか。
人に原因をかぶせて叱責や詰問などに及ぶと、社内の士気を下げ、離職や離反などを誘発します。
それとも、怪しい儲け話に乗りかかってはいないでしょうか。
あなたが経営に窮しているという噂をどこかから聞きつけて、詐欺師まがいの人間が近寄ってくることがあり得ます。
「頼れるもの藁をもつかむ」のたとえ通り、経営者の気持ちが焦りで乱れ、判断力が劣化しているところをつけ込まれるのです。
どんなに苦しくとも、正しく生きることを踏み外したら終わりです。
怪しい儲け話や、畑違いの商売など、調子が悪く冷静でいられない時にもたらされる誘いは、きっぱりと遠ざける胆力が何より大事です。
迷いを断って真剣に困難に立ち向かうことによって、社員やお取引先などがあなたを助けようとついて来てくれるはずです。
日頃から心を磨き、事業の調子に踊らされず、軸をもって経営に臨みましょう。
追伸:
軸のぶれない経営者が実践している方法

脇田 優美子
