
経営者のあなたは、社員がミスをした時、どんな対応をしていらっしゃるでしょうか。
ミスをした社員を頭ごなしに叱責していませんか。
もしそうだとしたら、叱責によってもたらされる結果と、会社の本来の目的とを引き比べて、冷静にとらえ直す必要があるでしょう。
叱責の影響
社員のミスを見つけたり、報告を受けたりした時、まずは一呼吸おいて、事態を確認しましょう。
ミスをした社員の対応がだらしなかった、という場合は、当然それを改めさせる必要があります。
けれど、至って真面目に取り組んでいたのにミスしてしまう場合もあります。
人間であればミスは避けられませんし、真面目な社員がミスをした場合は、本人がいちばんショックを受け落ち込んでいるでしょう。
そこへ経営者が叱責を加えたら、仕事への自信も失い、気持ちも萎縮してしまいます。
人間は萎縮すると本来の能力が出せなくなり、同じようなミスをしてしまいます。
恐怖心に支配されてしまうからです。
無意識のうちに経営者の顔色を伺うようになり、積極性を失い、仕事に対する意欲がわかなくなっていきます。
場合によっては、この先ミスを隠すようになる恐れもあります。
それまでの人生で叱られることに慣れていない社員の場合、経営者が思いもよらぬような行動に及ぶこともあり得るのです。
そんな社員を「甘い」「情けない」というのは簡単ですが、経営者からの叱責を恐れてミスの隠ぺいが常態化してしまうと、いつかお客様やお取引先に迷惑をかけるような大きなトラブルにつながりかねません。
ミスへの対応
ミスの内容やミスをした社員の態度次第では、もちろん経営者が本気で叱責することも大事です。
けれど、人を潰さず生かすことを念頭に置き、ミスの中身に目を向けて今後への対応を考えるべきです。
ミスをした社員に善後策と再発防止の方法を考えさせ、ミスに落ち込まず前進するよう勇気づけましょう。
叱りつけて終わるよりも、こうした丁寧な対応を積み重ねるほうが、社員と会社の成長につながっていくことでしょう。
さらに言えば、日頃から、経営者の考え方や価値観を社員に伝えておくことが、すべてのもとになります。
何かあった時にはじめて伝えるのではなく、平時に社員の考え方や意識を啓発していくのが、経営者の大事な務めなのです。
追伸:
人を生かす経営者の本気の対応

脇田 優美子
