
経営者だけがどれだけ優秀で頑張っていても、会社として成果を出せるわけではありません。
また、能力の高い社員をそろえることができたとしても、会社として満足な結果を出せるとは限りません。
経営者の思いがどれだけ社員に伝わり、共通した考え方のもとで社員が動いてくれるかによって、会社の成長の度合いは大きく変わってくるでしょう。
数を知っておく
経営者の考え方や意思が正確に伝わる人数というものは、どれくらいなのでしょうか。
一説では7人までと言われています。
仮に、7人を前提に考えてみましょう。
経営者が、自分の思いを直接伝えられる社員が7人とすると、その社員がさらに別の社員へ伝えられる人数が7人。
ここまでで7×7の49人です。
現実には、50人を越える段階あたりから、経営者の思いに対する社員の理解が薄まってくるようです。
49人それぞれが、次の7人に伝えると、
7×7×7で343人。
社員が300人台にのった頃には、経営者の考えや志に対する体感の薄い社員がかなり増えてくるのです。
この状況を放置すれば、組織としての力は弱体化していきます。
社員の人数のわりに成果が乏しい、という会社になりやすいのです。
共有するしくみ
自然に任せていては、経営者の哲学が社員に伝わることはありません。
経営者の信念を理解し共通認識のもとに動いてもらうには、しくみとして、経営者の考えを伝えていく必要があります。
具体的には、継続的な機会をつくることです。
経営者が直接語りかけたり、発信したりするだけでは足りません。
経営者の側は伝えたつもりでも、一方通行では、社員は受け身なだけで体現にはつながらないからです。
経営者の働きかけを受けとめた社員が、行動として実践できる場を用意しなければならないのです。
そこまでをしくみとして整備すれば、もし経営者がいない時でも、会社が機能停止に陥る可能性を減らせるでしょう。
たとえ組織をフラットな構造に変えたとしても、経営者が思いを直接伝えて理解してもらえる人数は、やはり社員50人くらいまでのようです。
経営者の哲学が会社の芯であるからこそ、このしくみをおろそかにしないことが大事です。
追伸:
芯のある経営者には
こんな理由がありました。

脇田 優美子
