
経営者のあなたは、社員の残業を減らすことに心を砕いていらっしゃることでしょう。
ただ、仕事が終わらない社員に向かって単に強制的に定時退社を迫っても、現場は混乱するだけです。
社員が仕事を家に持ち帰るなど、かえって別の問題が持ち上がってくることになります。
社員も残業したくてしているわけではないはずです。
それなら、なぜ残業が発生してしまうのでしょうか。
残業の発生するシンプルな理由
社員が残業しなければならなくなるのは
・はじめから、勤務時間内に終わらない量の仕事を抱え込んでいる
・すぐに対応を要する仕事が急に入った
・思っていたよりも時間がかかる仕事だった
たいていは、これらのどれかに当てはまるのではないでしょうか。
そうであれば、この状態をひとつずつ解消していくことで、残業を減らすことができるのです。
実態を明確にする
まずは、実際に残業の多い部署や社員について、現状を明らかにするところから手をつけましょう。
これは難しいことは必要ありません。
社員に、1日の仕事の開始前に、始業時刻から終業時刻までの業務の予定を、簡単なスケジュール表に記入してもらえばよいのです。
そもそも、その日の予定を記入した時点で勤務時間からあふれてしまっていれば、残業になるのが当たり前です。
予定がすでにまずいわけです。
このような社員には、上司やチームメンバーと一緒に、業務内容を見直してもらいましょう。
予定した仕事は本当に今日中にすべき内容なのか、優先順位は適切なのか、他の人に振り分けられる仕事はどれか、などをみなで調整していくのがよいでしょう。
スケジュール表に予定を記入してもらうと、仕事があふれている社員がいる一方で、余裕のある社員もわかりますので、互いに納得の上で、大変な人を助ける流れをつくることができます。
理解が進む
残業が多い社員について業務の実態を丁寧に把握すれば、その社員の仕事を他の社員に割り振って、残業している社員を減らせるだけではありません。
社員の負担の不均衡が是正されることで、部署やチーム全体の生産性が上がるのです。
それだけでなく、上司もチームメンバーも、それぞれがどんな仕事をしているのかよく見えるようになり、互いに理解や協力する気持ちが高まります。
この方法なら、残業している社員に残業を減らすよう強制するより、はるかに状況が好転するのです。
あなたの会社でもぜひ試してみてください。
追伸:
外から見ても知ることのできない
成長し続ける会社の経営者の秘密

脇田 優美子
