
あなたは自社の壁をどんなふうに使っていますか。
ここでお話しする壁は、心の壁など精神論のことではなく、文字通り、オフィスの壁、店舗の壁、それらの廊下の壁のことです。
高級なイメージを最優先としている企業であれば、優雅さや洗練されたデザインなど制限があるかもしれません。
そうでない企業は、自社オフィスの壁面を使って、もっといろいろな可能性を広げることができるでしょう。
「殺風景」は思い込み
オフィスの長い廊下や会議室やセミナールームなどの壁に、抽象画が飾られているのを見かけます。
そうした絵画を設置すると、お客様があなたの会社に対する理解を深めたり、信頼感が増したり、商談が成立する効果が高まるのでしょうか。
単に「がらんと殺風景だから、雰囲気を和らげよう」ということで、何となくそこにあるだけのように見えるものが多いのですが、実際はいかがでしょうか。
経営者は、どのような些細に思われる事柄についても、経営における意味と目的を考えるべきです。
オフィスの廊下や壁をどう扱うかを軽視してはいけないのです。
社員を啓蒙したい気持ちがあればその意図で、社外から訪れる人に自社の商品をアピールしたい思いがあるなら、その目的で使用すべきでしょう。
たとえば、自社を訪問するお客様との取引額をもっと上げたければ、まだお客様にあまり知られていないサービスについて、成功した活用事例を紹介するパネルなどを設置するとよいでしょう。
興味を持ったお客様がすぐ検討できるように、資料をファイルにして、同じ場所に合わせて設置しておきましょう。
お客様を打合せの部屋までご案内して歩く時、廊下の掲示物は、サービスを自然に紹介するきっかけにできます。
お客様は知らない
自社の商品やサービスのことを、お客様が隅から隅までよく認識しているはず、と思うのは大きな勘違いです。
商品の存在を伝えなければ、購入してもらえるチャンスは生まれません。
また、お客様がその商品の存在を知っていても、良さや必要性が十分に伝わっていなければ、目を向けてくれることもありません。
以前に資料を渡したことがあるから、サイトに紹介ページを設置しているから、きっと見てくれているはず、というのも思い違いです。
お客様はあなたが思うほど、あなたやあなたの会社だけに注目してはいません。
折に触れて、繰り返し伝えるという努力が不可欠なのです。
壁は発信ツール
オフィスの廊下や壁は、抽象画を飾るようなもったいない使い方をするかわりに、発信ツールとして活用できます。
もっとも、見栄えや掃除の手間を考えるとすっきりさせておきたい、という明確な戦略があれば、それもひとつの判断です。
しかし、単に工夫していないだけというのなら、壁の使い道をもっと考えてみましょう。
小さな違いの積み重ねは、常に大きな違いへとつながるのです。
追伸:
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脇田 優美子
