
経営者として会社を成長させていくには、人材育成が必須です。
ただし、大企業と中小企業ではその方法は同じではありません。
なぜなら、率直なところ、大企業の社員と中小企業の社員は様々な面で差があるからです。
中小企業の経営者は、その差をわきまえた上で、自ら考え動ける社員の育て方を模索していく必要があるでしょう。
目線を合わせる
中小企業の社員教育においては、社員の実情に目線を合わせ、基礎を備えることから始めることが肝心です。
挨拶、時間を守る、約束を守る、など社会人としての基礎力がとても大事です。
その次に、働く意味や価値について問いかけて、自分なりに考えてもらうことです。
人間としての基礎力をつけることと、働く意味を自覚すること。
はじめにこの2つを社員の心に植え付けなければならない理由は、人間としてこの2つが欠けていると、どんなに仕事を教えたところでろくに身につかないからです。
経営者が育てる
中小企業の中でも小さな会社なら、経営者自身が直接社員を育成する覚悟がないと、思うように人は育たないでしょう。
経営者の情熱や経験を直に伝えるからこそ、社員も覚醒していくのです。
ただし、気をつけたい点があります。
人は何のために働くのか、仕事を通じて何ができるのか、といった問いかけをする際は、経営者が一方的に話すと訓示のように受け取られてしまいます。
社員は押し付けに感じてしまい、なかなか素直に聞き入れてくれません。
社員が自分の意志で動く土台をつくるには、これでは不都合です。
そこで、働く意味を考えさせたり、仕事を通じて人生の目標を考えさせたりする場を設けたら、社員皆が発言するディスカッション形式で教育していきましょう。
他者の考えを聴きながら自分の考えと向き合い、さらには皆のいる中で発表すると、受け身ではいられなくなります。
経営者からのお仕着せの価値観ではなく、自分で考えなければなりませんから、ただ仕事をしているだけの状態と意識が変わってくるのです。
お客様に喜んでもらう工夫をしたり、同僚と協力したり、という実際の変化につながるまで、続けていくとよいでしょう。
ちなみに、社員教育は勤務時間内に行いましょう。
早朝や終業後は、社員にとっては迷惑で、嫌々やらされている感覚になってしまい効果が上がりません。
小さな会社の人材教育は、経営者が手間かけると同時に、社員が後ろ向きにならないやり方も必要なのです。
追伸:
人材育成にとりかかる前に
この備えはできていますか?

脇田 優美子
