
あなたの現在の商品をまったく変えずに、お客様に買ってもらえる機会を増やすには、どうしたらよいでしょうか。
値引きは本末転倒です。
いつも定価で買ってくれているお客様の気持ちを逆なでします。
割引価格が常態化して、定価では買ってもらえなくなります。
値引きという手法は、よほどのことがない限り考えるべきではないでしょう。
ここに、買ってもらえるチャンスを増やす2つの方法があります。
買ってもらう場所を増やす
1つ目は、買ってもらう場所を増やすこと。
自社のお客様と同じお客様を対象にしている業種を探すのです。
たとえば、美容を気にかけている50代女性向けの化粧品や健康食品であれば、自社で販売するだけでなく、美容室やネイルサロンやエステサロン、商品によってはスーパーやドラッグストア、あるいは美容クリニックなどの医療機関でも販売できる可能性があります。
もちろん、アマゾンや楽天などもあります。
それだけでなく、アパレル企業、ウィッグを取り扱う企業やフィットネスジム、リゾート施設やクルーズ船、空港やアンテナショップ、といろいろあるでしょう。
この例で言えば、50代女性が利用する場所はどこなのかを徹底的に探し、その場所で自社商品に触れてもらい買ってもらう機会を増やすことを考えてみましょう。
買ってもらえるように工夫を教える
2つ目は、自社商品を扱ってくれている企業が、もっと彼らのお客様に買ってもらえるように教育することです。
たとえば、美容ディーラーの会社は、美容室にパーマ剤やカラーリング剤、シャンプーやトリートメントといった商品を販売するだけでなく、美容室に来店するお客様に対して、美容師が商品をどのようにお勧めして買ってもらえるようにするか、の教育に熱心です。
美容師は元来は職人であって、営業が得意なわけではありません。
パーマやカラーリングの施術にも松竹梅のような価格帯があり、当然ながら、お客様には高いコースを選択してほしいところです。
それに加えて美容師は、お客様の自宅ケア用に店販商品も販売する必要があり、これをお客様との雑談の中で行わなければなりません。
こうした状況で、売上を美容師任せにするより、美容ディーラーの側で美容師のために、商品に関するセールストークを用意しているのです。
美容ディーラーの社員が美容室に研修を行って、お客様への髪の悩みの聞き取り方法、施術や商品のお勧めポイント、会話の進め方など、具体的な営業の仕方を、マニュアルを提供しながら指導しています。
こうすることで、美容室における販売が促進され、美容ディーラーの売上増加に繋がるのです。
あなたの商品を取り扱う企業やお店の販売を後押しするために、あなたにはどんな工夫ができるでしょうか。
買ってもらえる機会を増やす2つの方法で、販路を広げ、売ってくれる相手を応援し、あなたの商品をもっと世の中に役立てていってください。
追伸:
値引きしない経営者の隠れた工夫

脇田 優美子
