
成功する人は自己肯定感が高い、と聞くことが多いのではないでしょうか。
経営者という立場は、世間から見ると成功している人、少なくとも、成功に近いところにいる人のように受けとめられるものです。
では、経営者はみな自己肯定感が高いのでしょうか。
決してそんなことはありません。
世界には、自己肯定感が低いからこそ偉大な目標を成し遂げた人々がたくさんいます。
たしかに、自己肯定感の高い人は自信をもって物事に取り組み、失敗してもへこたれず邁進できるでしょうから、目標達成しやすく、満足感も得やすいでしょう。
逆に、自分をダメな人間だと思っている人、自己肯定感の低い人が、目標を達成したり、結果を出したりできるとしたら、それはなぜでしょうか。
高い自己肯定感は決め手ではない
自己肯定感が低くてもすべきことを成し遂げられる人は、自分自身をよく観察する力を備えています。
自分のことをしっかり観ている人なのです。
自分はどんな時に自分に甘くなるのか、どういう場面でいい加減になるのか。
どんな時に弱さが出るのか、どんな場面であきらめてしまうのか。
どんな言い訳をすることが多いのか、どんな思考の癖があるのか。
どんな時に調子が悪くなるのか、どういう日は上手くいかないのか、など…
自分についての事実から目をそらさずに、ありのままを自覚しています。
自覚するだけでなく、それを変える必要があることも、意識できています。
自己否定も必要ない
自分の欠点を列挙したからといって、それを理由に自分を責める必要などありません。
こういう自分はダメだ、と自己否定するばかりでは何も変わらないのです。
それよりも、自分の癖を覚えておいて、それが現れた時に
「あ、また悪い癖が出た」
と自分に警告を発することができればよいのです。
第1段階は、自分の望ましくないパターンを自覚して、警告を発することができれば上出来です。
それから1つずつ、小さなところから、自分がダメな状態に傾く場面で、より良く変われる方の行動を選択していくのです。
たとえば、社員に対して反射的に声を荒らげてしまう癖があなたにあるのなら、まずはその場面で、ありのままに事実を自覚しましょう。
自覚して、常に意識することができれば、次はそれを解きほぐしてから、習慣化の力を使って変えていくことができます。
自己肯定感の高い低いを問題にするより、自分を変え続けていくことのほうが大事なのです。
結果として、自己肯定感が自然に高まっている自分に気づくことになるでしょう。
追伸:
自己肯定感が低い経営者でも
これを知ったら変化が起こるでしょう。

脇田 優美子
