
小さな会社の経営者にありがちなのが、身びいきです。
同族経営に社員が向ける目は、経営者自身が思うよりよほど厳しいと心得るべきです。
優秀な経営者の中には、親族を自社に入社させないと決めている方さえいます。
ましてや能力が不足する身内を、親族だからという理由で要職につけることなどもってのほかでしょう。
そのもってのほかを平気でしている経営者は多いものです。
親族を見る経営者の目が、まったくの身びいきなのです。
そこには、自分が守って育ててやれば何とかなるだろう、という甘い見通しがあるのではないでしょうか。
あなたの目が行き届いているうちは、社員はその状況を我慢しているかもしれません。
すると経営者は勘違いして、その身内を社員が受け入れてくれている、社員が身内によく従ってくれている、と自分の都合の良いように解釈してしまいます。
社員は、力量に欠けるあなたの親族を評価しているわけではなく、あなたに忖度しているだけなのだ、というのが本当のところかもしれません。
身びいきの先に待つもの
身内を優遇し続けると何が起こるでしょうか。
能力のある社員から真っ先に辞めていきます。
残っている社員の士気も下がります。
自分が力を発揮するはずのポジションを、経営者の親族に横取りされたと感じるからです。
公平な評価がされていないと反感をつのらせるでしょう。
もし、親族を後継者として育てるつもりならば、それ相応のけじめを先に考えて、社員の気持ちに十分配慮すべきです。
鍛え方についても、成り行きや思いつきでなく、優秀な社員に預け段階を追って戦略的に修業を積ませる必要があるでしょう。
結局のところ、人心掌握できない身内が経営に参画することは、自社を足元から危うくするだけです。
身びいきは命取り、と肝に命じましょう。
追伸:
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脇田 優美子
