
経営者のあなたにも、謝罪が必要となる場面があるかもしれません。
経営者の立場で謝罪を考える時、仕事に関する対外的な謝罪だけでなく、日常的な人間関係における謝罪というものもあります。
人間ならば例外なく、どんなに素晴らしい価値観に基づいて努力して生きていても、何かしらの欠点があるでしょう。
その欠点によって、家族や友人や社員の不快感や怒りをかってしまうことがあるかもしれません。
意図したわけではなくても、大切にすべき人をないがしろにしてしまったり、誰かに苦痛を与えてしまったり。
ところが、ふだん人の上に立っている意識の強い経営者は、その事実に気づいても、放置してしまいがちです。
それが続くと、人はその経営者に愛想をつかしてしまいます。
利害関係のために我慢して付き合いはしても、心の中ではあなたを嫌うようになるのです。
これでは、仕事において期待したような協力が得られず、相手があなたのために進んで何かを行ってくれることもありません。
プライベートにしても同じことです。
経営者だからこそ、自分の欠点のせいで誰かが傷ついたり腹を立てたりしていることに気づいたら、率直に謝罪をしなければならないでしょう。
謝罪の仕方
謝罪をすると決めたなら、謝り方は重要です。
謝罪の気持ちを相手に汲みとってもらうには、どんな誤り方をすればよいでしょうか。
謝罪する時は、以下の2つを守るのが鉄則です。
「申し訳なかった」と言います。
「これからは、良くなるように努力する」
と言います。
これ以外は言ってはいけません。
なにか余計な言葉は不要です。
謝る際に相手から何か言われても、この2つ以外の返答をしてしまえば、謝罪は失敗に終わります。
説明したり、反論したり、何を言おうとも、言い訳や正当化にしかならず、
「結局この人は何も反省していないのだ」
と印象づけてしまうからです。
したがって、謝罪するならば、上記の2つだけを徹底することです。
口をついて出ようとする言葉を飲み込まなければならないので、ふだん言いたいことを言い放っている経営者であれば、かなり忍耐を要するかもしれません。
謝罪もまた、経営者という立場の人間にとって、ひとつの修練と言えるでしょう。
追伸:
経営者の長所を
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脇田 優美子
