
あなたの会社でも、お客様の購入頻度や購入総額などから顧客分類をしていらっしゃることでしょう。
プラチナ会員、ゴールド会員、シルバー会員など、一定期間の購入総額に応じてお客様をランク分けして対応している企業もよく見かけます。
ところが、こうした自社の顧客分類とお客様の意識の間には、意外と隔たりがあるということにお気づきでしょうか。
会社の側から見たら、購入金額も購入頻度もそれほど多くはない位置づけのお客様が、「あの会社にとって、自分はお得意様だ」と思っていることが多々あります。
どのランクのお客様であっても、「自分はいつもあの会社から買っている」という気持ちを持っているのです。
ずれたメッセージ
それに対して、購入金額によりお客様をランク分けしている企業から届くメッセージは、「あと○○円のお買上でランクアップします。割引が増えます」というようなお知らせばかりです。
「もっと買ってください」と言っているだけなのです。
ここには、お客様を数字でとらえる態度が透けて見えてしまっています。
たしかに、お客様は得な買い物をしたいとは思っていますが、割引特典など金銭的メリットを訴えるだけで終わっているのが残念です。
お客様のもっと根源的な感情に働きかけることができれば、今よりずっと事業は伸びるのではないでしょうか。
認める
あなたの会社から買ってくださるほとんどのお客様は、あなたの会社から大事な存在として扱われたいのです。
それは承認欲求であり自尊心でもあります。
人間は誰しも、「自分は特別だ」と感じたいものです。
プレゼントや大幅な割引など上位顧客のようなコストをかけなくても、お客様の「認められたい」という感情を満たすことにより、購入金額も購入頻度も増やすことができるのではないでしょうか。
たとえば、折に触れ、経営者や会社から感謝の気持ちを伝えてはいかがでしょうか。
定期的な連絡を絶やさず、お客様を大切に思っていることをお伝えするのです。
お客様に金銭的な得を提供するかわりに、あなたのお客様でいることに満足感を得ていただきましょう。
お客様が「自分は大事にされている」と実感できた時、あなたとあなたの会社をより一層好きになり、もっとあなたから買いたくなるのです。
追伸:
お客様から愛される経営者は
これに気づいています。

脇田 優美子
