
経営者は、人が採用できないと嘆いているだけでは現状を変えることはできません。
人手不足の状況でも、働きたいのに条件が合わず働けない人たちが存在しています。
育児や介護などの事情で、フルタイムの仕事はもちろん、朝からの仕事や夕方の仕事が無理な人たちです。
経営者は社会の変化に応じて経営を変えていかなければなりません。
採用についても、働きたい人の事情に合わせるという発想が求められるでしょう。
足し合わせる
あなたの会社が現在、採用条件において勤務時間をたとえば「午前9時から午後5時」としていたら、応募者はなかなか集まらないかもしれません。
あなたの会社が考えるひとり分の業務を、ひとりのパート社員に担当してもらおうとすれば、このような時間設定にせざるを得ません。
けれど、ひとり分の業務を数人の人たちで担当してもらう、つまり、複数の人の合計でひとり分の業務を完結させるという発想の転換ができると、もっと柔軟な時間設定が可能になります。
たとえば、
9時から13時
10時から15時
13時から17時
のような複数の時間帯でパートタイマーの募集をすることができます。
午前中だけなら働ける人、日中は在宅していなくても大丈夫な人、午後だけ外出できる人など、融通のきく人たちが働けるチャンスが生まれます。
事情を受け入れる
このような勤務時間で採用する際は、応募者それぞれが時間的な事情を抱えていると考えられるので、その事情を確認しておく必要があります。
なぜなら、子供が熱を出したり、世話をしている家族の具合が急に悪くなったり、という突発的な理由で出社できなくなることがあるからです。
勤務シフトにも工夫が必要なのです。
急に休む人が出た時に、代わりに勤務できる人を把握しておき、サポートし合えるしくみをつくっておきましょう。
さらに、パートタイマーの人が誰でもどの業務にでも対応できるように、ひとつの業務だけを担当させず、早い時期にいろいろな業務を習得させる体制をつくるとよいのです。
こうすることで、突然誰かが休んでも、他の人たちで業務をカバーできるようになります。
働きやすさをアピール
パートタイマーとして働く人にとって、働きやすい勤務時間を設定してみましょう。
そして、「急に休まなくてはならない時も、みんなでカバーし合える職場です」とアピールするのです。
これによって、安心して応募してくれる人が増えることでしょう。
あなたがまだ試していないなら、このしくみで人手不足の解消をはかってみてください。
追伸:
「この会社で働き続けたい!」
と言われる経営者には
こんな秘密があります。

脇田 優美子
