
経営者のあなたは、戦略的な採用を実践できていらっしゃるでしょうか。
今や企業において、採用は営業販売活動と同等か、それ以上に重要度が増しています。
採用した人材の成長に、文字どおり会社の将来がかかっているのです。
採用戦略を立てるにはどうしたらよいのかと言えば、自社の未来像が明確になっていなければなりません。
事業について自社が目指す5年後、10年後の姿を具体的に描き、その将来像に必要な人材に今加わってもらわなければならないのです。
ただし、応募者をかき集めるのではなく、応募者の側から望んで入社を希望してくれる流れをつくらなければうまくいきません。
それには、事業運営と同様に、しっかりと戦略を立てて戦術に落とし込んでいく必要があります。
的確な戦略によってほしい人材を集めることは、狙い通りのお客様を思うように集めるマーケティングと同じ理屈なのです。
見通しを立てる
採用戦略を立てるに当たって、まずは経営者が自社を取り巻く環境をしっかり分析して、市場の行く末を読まなければならないでしょう。
その中で自社はどの方向に舵を切っていくのかを見定めなければ、必要な人材を明確にすることができません。
自社の強みを伸ばすのか、弱い部分を強化するのかによっても、集めるべき人材はかなり違ったものになります。
少しでも若い人に来てほしい、若い人の力で自社を変えたい、というような漠然とした考えは通用しないのです。
採用戦略の立案は、経営者が自社の未来図を明確に描くことから始まります。
迎える準備
次にすべきことは、新たな社員を迎える側の準備です。
経営者が採用に意欲的に取り組もうとしても、それだけでは意味をなしません。
入社した人が実際に働く現場が、経営者の思うような未来に向かって動いていなければ、人材を活かすことはできないからです。
たとえ運よく若い人が面接に現れたり、入社してくれても、会社に魅力を感じなければすぐに辞められてしまうでしょう。
経営者は、自社の未来像を今いる社員たちと十分に共有し、ベクトルを合わせて動くことが不可欠です。
今すでにいる社員たちが、自分たちの目標を理解して、それぞれの業務に励む環境を整えなければならないのです。
若手もベテランも、自分の仕事の楽しさを社員同士で語り合えるくらいになってはじめて、外から新しい仲間を迎え入れる環境ができてきたと言えるでしょう。
採用のための会社説明会で、自社の良い面ばかりを強調したり、夢のある会社であるかのようにアピールしても、それが事実でないならば相手に見抜かれます。
インターネットなどを通じて、会社の実態は外からでもずいぶん見えるようになりました。
もし自社についての情報発信をしていないなら、自社の情報を十分に明かしていないという事実自体が、仕事を求めている人たちから判断材料にされるでしょう。
良い人材を採用したければ、偽りのない自社の姿を開示できることが先決なのです。
追伸:
良い人材を採用できる経営者は
すでにこれを備えています。

脇田 優美子
