
経営者の採用戦略について、前回は最初に手がけるべき事柄をお伝えしました。
前回記事はこちら↓
成功する採用は経営者次第 その1
前回お伝えした内容の次に経営者が考えるべきなのが、自分がどれくらい具体的に採用にかかわるのか、ということです。
経営者は自分の熱意と意図の両方を、採用戦略を担当する部署にしっかり伝え、望む人材が応募したくなる戦略を立ててもらいましょう。
戦略として外せないのは、応募者に自社についての理解を深めてもらうこと、自社で働くことがどのように応募者の成長につながるのかわかりやすく伝えること、自分たち社員が偽りなくやりがいを感じて働いている姿を示すことです。
その上で、働く時間を通して一緒に幸せを目指そう、と言い切る覚悟ができるかどうかです。
この考え方は、実は企画開発をヒットに導く道筋と同じです。
採用にも、しっかりとしたマーケティングが必須だということです。
トライアンドエラー
戦略が固まったら、具体的な戦術を決めていきましょう。
戦術は、真面目一辺倒でなくて問題ありません。
ユニークな採用方法はそれ自体が話題になります。
面接だけでは見えてこない咄嗟の言動から、その人の本音を見ることもよいでしょう。
クイズ形式やゲーム形式やワークショップ形式など、様々な方法が考えられます。
チームで議論させたり競争させたりすると、自然とリーダーシップをとる人や、積極的にアイディアを出す人などが出てきます。
座って面接しているだけではわからないことが簡単にわかるのです。
こうした応募者のありのままの姿を見られるしくみを組み入れながら、一方では、じっくり話をする機会も設けましょう。
若手社員と応募者だけで、本心で語り合える時間を用意できるのが理想です。
よそ行きの取り繕った話ではなく、良い面もそうでない面も含め、自社のありのままを話し、もっと良くしていくために新しい人の力が必要だ、と社員が伝えてくれたら良いですね。
そのためには、社員が事実そう思ってくれていなければなりません。
嘘のない自社の実情を高めていくことが、もっとも重要ということです。
社内の意識を高めながら採用方法を工夫していく、という同時進行が欠かせないのです。
経営者の出番
そしてなんと言っても、経営者自らが自分の信条、自社の理念、自社の未来への情熱を語る機会が大事でしょう。
会社説明会や、社長面接なども有効ではありますが、もっと良い方法があります。
それは、日頃からSNSその他の媒体を活用して、経営者の思いと自社のあり方を発信していくことです。
経営者が直接発信しなければならないわけではありません。
会社の見せ方の戦略により、いろいろとやり方はあります。
採用戦略とは、経営者の価値観、自社の価値観、自己開示などを含めたコミュニケーション戦略なのです。
追伸:
着実に成長し続ける会社の
コミュニケーション戦略の秘訣

脇田 優美子
