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「買う」と「買い続ける」の境界線

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お客様が一度だけ買ってくれて、それきり買わなくなる商品やサービスと、何度も買ってくれる、買い続けてくれる商品やサービスは、何が違っているのでしょうか。

商品の性質により考えられる要素はいろいろありますが、その根本的な部分に目を向けてみましょう。

両者の違いは、実は商品そのものにあるとは限りません。

商品を包み込んでいるビジネスモデル、そのビジネスモデルを組み立てている経営者の思念にあることが多いのです。

売っているものが何であれ、目の前の売上をつくることに焦点を当てているか、それとも、先々までお客様とずっと付き合いたいと考えてビジネスを構築しているかです。

目先の利益を得ることが目的になると、商品を勧める社員のことばもオーバートークになりがちです。

サービスを売るためには、できそうにない約束までしてしまう逸脱も出るでしょう。

また、売った後にはそのお客様のことなどさっぱり忘れてしまうかもしれません。

結果として、お客様からすれば、勝ってみたら期待外れだったと受とめられ、騙されたような気持ちにもなります。

そのため、商品に対する不満と、ないがしろにされたような不快感が生まれ、もうこの会社からは買いたくないと感じ、そこでご縁が切れてしまうのです。

長く関係を続けたい、という思いのもとに商品をつくり提供するなら、商品そのものだけでなく、商品の提供方法や、お客様と接する社員の言動も、その思いを念頭において生み出されます。

こうした違いは、競合から見ても分かりづらい違いなのですが、その差は歴然です。

お客様は見抜いている

人間というものは、言語化されないあらゆる事柄から、全身で情報を体感として受けとめています。

お客様は本能的に、この会社は自分に対して、一度買ってもらいさえすれば後はどうでもよいと思っているだけなのか、これからも良い関係を築いていきたいと思っているのか、自然と感じとることができます。

お客様自身が、その感覚をたとえ言葉にして上手く説明できないとしても、本能が察知できるのです。

つまり、目で見て同じ商品であっても、今目の前のお客様に売ることだけに懸命な会社の態度と、長く付き合おうとする会社の態度は、買う側からはまったく違う感覚をもって受けとめられるのです。

今ある商品はそのままでも、この意識の違い1つで、ビジネス全体は大きく変わることでしょう。

 

追伸:
お客様とも社員とも
良好な関係を築ける経営者の密かな戦略

 

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脇田 優美子

経営者の自己超越を助け、人間的成長を後押しする。 マーケティングコンサルタントとして経営者のビジネス向上を手助けする一方、経営者の視座を高め、器を広げる支援を行う。 多くの経営者の秘密厳守の相談相手として、経営者のビジネスと私生活両面を支えるコンサルティングを展開。 どんな優秀な経営者にも存在する盲点や死角を見抜き、ビジネスの土台を強固にするサポートを行う。 上場企業経営者、老舗企業経営者、中小企業経営者、個人事業主、士業、医師、大学教授、芸術家まで幅広く支える。
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