
経営者のあなたが社内改革に取り組む時、失敗の落とし穴がスタート時点に潜んでいることを知っていますか。
いざ改革に着手しても、社員から一斉に反発されたり、それを押し切って無理に進め大きな摩擦となり、退職者が続出したり。
なぜ、社員はそんなにまで抵抗するのでしょうか。
原因は経営者?
社員の抵抗の最大の原因は、実は経営者にあることが多い、と言ったらあなたは驚くでしょうか。
ちょっと想像してみてください。
経営者が社内改革に着手する時、どのような宣言をするでしょうか。
「このままではいけない」
「現状を変えなければならない」
という調子で、社員に訴えかけるのではないでしょうか。
これは経営者にしてみれば当然かもしれませんが、社員の立場になってみるとどうでしょうか。
自分たちのこれまでの頑張りを、否定されているように感じるのではないでしょうか。
否定の矛先
自社の現状否定からスタートする改革宣言は、社員のこれまでの働きぶりの結果が思わしくない、と社員に責任を押し付けたように受け取られる可能性があります。
社員は反射的に、「本当は社長の責任では?」と反発を感じるかもしれないのです。
人間の心情として、自分の働きを否定された挙句に、現状を変えろと言われて、気持ちよくやる気を出せる人はなかなかいないでしょう。
社員は社員なりに努力して仕事に取り組んできたわけですから、それを否定するようなものの言い方は賢明とは言えません。
社員の協力なくして社内改革の成功はあり得ないのです。
経営者がまず、「これまでみんなで頑張ってきた。さらにここから一段と飛躍するために」という発想で臨むことが大事でしょう。
たとえ現在の業績が下降気味であっても、危機感に任せて現状否定ばかりするのでは、改革が上手くいくことはありません。
悪くすれば、経営者の焦り、八つ当たりと取られます。
社員に対して、ここまで頑張ってくれていることにねぎらいを示した上で、業績回復に向けさらに力を貸してほしい、と呼びかけるのが、人間としてのあり方ではないでしょうか。
相手を否定してから始める改革と、ねぎらいから始める改革。
あなたはどちらの経営者でしょうか。
追伸:
賢明な経営者は
この方法で改革しています。

脇田 優美子
