
本音では、経営は数字がすべて、と考える経営者は多いかもしれません。
数字は計測できるので、達成できているかどうか途中経過もわかりやすいものです。
達成すべき数字目標は、経営者にとってだけでなく、社員にも示しやすく管理もしやすいでしょう。
しかし、数字を目標にしているならばよいのですが、数字が目的になってしまうとどうなるでしょうか。
数字を達成できればよし、できなければ叱咤激励の繰り返しになります。
経営において数字目標があるのはもっともですが(数字目標がなくても業績好調な企業もあります)、目的と結びついた目標でなければ、ついていけなくなる社員が増えるでしょう。
数字を追いかけるだけの人生に長く耐えられる社員は多くはありません。
働きがいを感じられない社員が増え、組織としての士気も生産性も下がっていき、離職者が相次いで、業績も下降していきます。
数字目標の達成だけを追う経営者は、いずれ数字も達成できなくなるのです。
数字を頼る理由
数字目標だけで経営の舵取りをしようとする経営者は、人と向き合うことを避けているのではないでしょうか。
経営の目的を考えることは、お客様はもちろんのこと、社員やお取引先に向き合い、相手の幸せについて考えることにつながります。
経営者自身がそれについて時間をかけて深く考え、自分で体現していなければなりません。
あっても飾りのようで、実際には機能していない経営目的だとしたら、それは経営者の本心ではないからかもしれません。
経営の目的、経営哲学を持たない経営者には、だんだんと人がついてこなくなります。
口先だけではなく、実践しているかどうかを周囲の人々は厳しく見ているのです。
目的から見た数字目標
経営の目的というのは数値化するのが難しいと言われています。
経営目的が数値化できないと思い込んでいる経営者は多いのですが、必ずしもそうではありません。
自社のビジネスモデルに、経営目的を反映させた数字目標を設定することは可能です。
いきなり数字目標を設定するのではなく、経営目的から数字をとらえ直すと、これまでと違った数字の見方ができるようになるでしょう。
今までのビジネスモデルを変えようという気にすらなるかもしれません。
それはきっと次の成長へのステップとなるはずです。
追伸:
数字を追わない経営者が実践する方法

脇田 優美子
