
あなたの会社は採用に困ってはいませんか。
この先も当分、人手不足が解消される見込みはありません。
中小企業は希望する人材が採れない、という話を多く聞きますが、実際には採用が上手くいっている会社もあります。
ほしい人材に入社してもらい、その社員が定着している会社には、何か秘密があるのでしょうか。
採用方針
あなたの会社には、明確な採用方針はあるでしょうか。
中小企業の中には、いきなり経営者が応募者を面接して、経営者の一存で採用の可否を決めてしまうような会社もあります。
これでは、単に経営者の勘に頼って、感じの良さそうな人を採っているだけです。
実際に入社させてみると期待したような人物ではなく、あっという間に辞めてしまった、となるのも何ら不思議ではありません。
入社してきた人から見れば、自分が想像していた会社のイメージと実際が違っていたため、早々に退職を決めたのでしょう。
このような離職のパターンは、そもそもの採用方法に問題があることは言うまでもありません。
採用とは、応募者の履歴書を見て、面接で印象の良い人に入社してもらうことではありません。
採用活動とは、あなたの会社で働くことで自分の幸せを実現しながら、仲間と会社の成長に力を発揮したい、という人を引き寄せて縁を結ぶ活動なのです。
相互理解
採用は、ただ業務をこなすだけの人を集めるのではありません。
そうした仕事は間もなくAIが処理してくれるようになります。
採用においては、あなたの会社の成長と自分の自己実現を一体化できる人を集めるのですから、何をおいても、自社の理念が明確でなければならないでしょう。
何のためにあなたはその企業を経営しているのですか。
世の中における自社の存在意義は何でしょうか。
社会にどのような価値を提供しているでしょうか。
それによって、あなたが目指す未来はどのようなものですか。
こうした問いに対する答えをひとつひとつ言語化し、それを誰にも伝わる明確な表現にまとめる必要があります。
それを企業理念として、経営者自身だけでなく、社員なら誰でも自分なりの言葉で他者に説明できるまで共有しましょう。
社員に十分に浸透して初めて、採用のための準備ができたと言えるのです。
つまり、経営者だけが理念を振りかざしたところで意味が無いということです。
社員が皆で目指している血の通った信念でなければ、何の魅力もなく、人を鼓舞する原動力にもなり得ません。
会社説明会
経営者と社員がともに理念を共有できたなら、次はビジョンである経営計画を、役員や管理職と一緒に考えましょう。
その行為により、彼らに会社を導くリーダーとしての自覚を十分に持ってもらうのです。
そうすると、採用においてどんな事を発信すればよいのかがはっきりとわかり、自社に入社してほしい人へ明確なメッセージを伝えることができるようになります。
当然のことながら、会社説明会では、最終的に経営者が応募者の前で話をする機会はあっても、まずは複数の社員が自分事として、自社の理念とビジョンを語る場面が用意されることになるでしょう。
学生であれ、中途採用の応募者であれ、経営者の話以上に、そこで実際に働いている社員が本当に幸せなのか、生き生きと仕事をしているのかを注視しています。
社員の偽りのない本気や情熱が応募者に伝わることが、何より大切なのです。
このような採用活動ができれば、当然、自社の理念から外れた人が面接に来ることは減ってきます。
入社してから、こんなはずではなかったと辞めていく人もほとんど出なくなることでしょう。
自社の望むような人を採用するには、その人物像を明確にし、大いに発信し求めることです。
今の自社の採用活動に満足できないのなら、自社を変えていくことから、経営者自身が変わるところから取り組んでいきましょう。
追伸:
人材採用に困らない経営者が
実践している方法

脇田 優美子
