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商品を進化させる2つの視点

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ちょっと考えてみましょう。

あなたが寝具を販売しているとします。

商品だけを眺めていると、商品の長所やお客様の感想にしか着目することができません。

たとえば
「中綿がたっぷりです」

「特殊な繊維で作られています」

「良質な睡眠を得られます」

「腰痛が軽くなった気がします」

「ぐっすり眠れて気分爽快です」
など…

これらは、たいていの寝具の広告でよく見聞きする表現です。

役割に着目

しかし、商品ではなく、睡眠という作用、役割のほうに着目すれば

「脳の中では、睡眠中にグリア細胞がアミロイドβを洗い流している。
アミロイドβは、認知症のもとになる物質である」

という、脳の研究に関する最新の知見を取り入れることができます。

あるいは、あなたも近未来映画などで人間の睡眠シーンをご覧になったことがあるかもしれません。

カプセルのような休息装置に入っていることが多いことにお気づきかと思います。

そうした場面では、眠っている間に脳波その他の身体情報を計測し、そのデータをもとにカプセル内で音楽を流したり香りによる刺激を与えたり、気圧や酸素濃度を調整したりして健康を維持する、というような描写も目にします。

こうした映画のメッセージからも、睡眠の役割の進化、寝具の行く末を示す兆しを読み取ることができます。

今ここにある問題はすでに過去

ここで寝具を取り上げたのは単なる一例ですが、お伝えしたい重要な視点が2つあります。

ひとつは、商品開発におけるコンセプトは、今目の前に見えている問題を解決しようとするだけの発想では足りない、ということです。

顕在化している課題を解決するのは当然のこととして、これから向かう人間の未来をより良くしていく、という視点が必須です。

もう1つは、学術研究など専門家の研究に目を向け、積極的に取り込んでいくことです。

寝具の例で言うならば、自社商品やお客様の悩みに向き合うだけでなく、世界で進んでいる健康に関する研究を見て、睡眠についての最先端アプローチを考える必要があります。

寝具に限らず、発展著しいヘルスケア領域であれば、脳科学や医療などの最新情報が事業に欠かせない切り口となります。

あなたの事業が何であっても、おそらく何らかの専門分野の研究とどこか関わりがあるはずです。

自社商品をどのように展開していくかを考える際、それらの研究から有力なテーマを発見できる可能性があります。

商品を取り巻く世界を、役割で見直してみましょう。

役割の未来をいち早く見抜くことができたなら、それが大きなビジネスチャンスとなります。

 

追伸:
あなたの事業の突破口、
この方法
で発見しませんか。

 

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脇田 優美子

経営者の自己超越を助け、人間的成長を後押しする。 マーケティングコンサルタントとして経営者のビジネス向上を手助けする一方、経営者の視座を高め、器を広げる支援を行う。 多くの経営者の秘密厳守の相談相手として、経営者のビジネスと私生活両面を支えるコンサルティングを展開。 どんな優秀な経営者にも存在する盲点や死角を見抜き、ビジネスの土台を強固にするサポートを行う。 上場企業経営者、老舗企業経営者、中小企業経営者、個人事業主、士業、医師、大学教授、芸術家まで幅広く支える。
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