
あなたの会社にも、打てば響くように意欲的に反応する社員と、そうではない社員がいるでしょう。
頑張ろうとしない社員は、なぜ頑張る気を起こさないのでしょうか。
根本的には、自分に自信がないからです。
ただ、実際のところ、明確な自信をもって仕事に取り組んでいる社員というのはそれほど多くはないでしょう。
そういう社員はすでにリーダーの立場になっているはずです。
自信がなく頑張っていない社員は、本気で頑張ってみれば今より仕事ができるようになるのですが、自分から挑戦しようとはしません。
これは社員本人にとっても、会社にとっても非常にもったいない状況です。
なぜ、頑張らない社員はいつまでも変わらないのでしょうか。
不思議な心理
自信がないから頑張れない、という言い訳をする社員は、周囲と自分を比較して、自分はどうせたいしたことはない、と自己評価も低い状態です。
しかし、経営者のあなたから見れば、頑張っていないのだからぱっとしないのは当然、と思うでしょう。
そこで、あなたは
「もっと一所懸命に仕事に打ち込めば、今より良い結果が出せるはず」
と励ますかもしれません。
経営者から励まされれば、頑張る気を起こしてくれるのでは、と期待したいところです。
ところが、これはあまり上手くいかないことが多いのです。
どうしてでしょうか。
真実を知る恐怖
ひとつには、経営者や意欲的な社員など、すでに頑張って結果を出してる人から「お前も頑張れ」と言われると、頑張っていない社員は素直に受けとれないことがあるからです。
人間の天邪鬼な心理から、言われるままに動くなんて嫌だ、という反発が先んじてしまうのです。
まったく自分のためにならない解釈なのですが、他人と自分を比べてしまう思考の社員だと、自信がないのでそう思ってしまいます。
そのため、経営者は諭し励ましたつもりでも、本人はあえて右から左に聞き流して変わろうとしません。
さらに、こちらの理由のほうが大きいことがよくあるのですが、もし本当に頑張ったのに大した成果が出せなければ、それこそ完全に自信が打ち砕かれてしまう、という恐怖です。
自分の本当の実力を知りたくない、という恐怖から逃れるには、頑張らないのがいちばんなのです。
そうすれば、「本気で頑張ったら、すごくできるかもしれない」という淡い可能性が残り、自分の心を守ってくれるからです。
恐怖心への対処
人間の感情というのは一筋縄ではいかないものです。
頑張らない社員は恐怖心から目を逸らして仕事をしているということを、経営者であるあなたは認識しておくことが大切です。
そうした社員が頑張る気を起こすには、どんなきっかけが必要でしょうか。
それを考えるのが経営者の仕事です。
あなたという経営者がどう人材を育成していくのか、という勘所にもなりますので、しっかり考えてみてください。
追伸:
人を育てたい経営者へ贈る
2つのヒント

脇田 優美子
