
経営者のあなたは、「マニュアル」という言葉からどんなイメージを思い浮かべますか。
社員やアルバイトにとってマニュアルは、暗記してその通りやるもの、と受け取られがちです。
入社したら、「早くマニュアルを覚えなければ」と思うものです。
実際に、新人に対して、早くマニュアルを覚えるよう促している会社も多いかもしれません。
けれど、マニュアルをただ丸暗記するだけでは、最低限の作業ができるだけに過ぎません。
新入社員やアルバイト、パートの人たちにまずマニュアルを覚えてもらったら、それで終わりにせず、次のステップに上がってもらいましょう。
マニュアルを自作する
入社数ヶ月を経た社員に、入社以来覚えた自分の仕事を、すべて書き出す作業をしてもらいましょう。
当然、もとからあるマニュアルと重複する部分が多数含まれると思いますが、それはかまいません。
その社員が実際に行っている個々の業務について、作業のすべてをできる限り細かく分解し、手順を書き出してもらいます。
そして、先輩社員や上司と一緒に、果たしてその手順が最適なのかどうか、アイディアを出し合うのです。
「ここを変更すれば、次の手順は省けるのではないか?」
「これはかえって無駄な作業ではないか?」
「この手順だと、ミスを誘発してしまうのでは?」
「こうすると、もっと良くなるかも?」
このように、業務に慣れ過ぎてしまう前の社員やアルバイトとともに作業を分解してみると、上司や先輩はこれまで見落としていた視点に気づくことができます。
作業がブラッシュアップされ、マニュアルを改良していくことができるのです。
一石二鳥
同時に、社員やアルバイトのマニュアルに対する意識が変わります。
マニュアルは機械的に従えばよいわけではなく、それぞれの作業には目的があることを理解できるようになるのです。
自分の業務の目的や意味に意識が向くようになれば、より良くするにはどうすべきかを考える素地ができます。
人は単純作業を繰り返すだけの仕事にはなかなか楽しさを感じられません。
入社して数ヶ月の社員に業務分解の作業を与えることは、マニュアルが改良できると同時に、仕事の深みを感じてもらい、働きがいを見つけてもらうこともできるのです。
あなたも経営者として、この方法でマニュアルを改良してはいかがでしょうか。
追伸:
社員がどんどん動く会社には
こんな経営者がいます。

脇田 優美子
