
経営者にとってはいつの時代も、10年後の自社の姿を描くことは容易ではないでしょう。
その時世界がどうなっているのかは誰にもわかりません。
とはいうものの、すべてが予測不能なわけではなく、ある程度までは予見できます。
確実視される変化に備えることができなければ、淘汰される運命が待ち受けることになります。
コミュニケーションツールの進歩、ペーパーレス化、事務作業の自動化、場所にとらわれない働き方など、デジタルイノベーションは、変化の速度を上げています。
これらの対応が遅れる企業では、すでに不利な状況に陥っている会社が多々見られます。
デジタルイノベーションの流れについていけない経営者から順に、追い詰められていくことは明らかです。
あなたは大丈夫でしょうか。
すべて作り変える
今、60代以上の経営者が30代くらいの後継ぎに経営をバトンタッチしている企業では、業績の復調しているところが少なからずあります。
その理由は、後を継いだ経営者がインターネットに馴染みのある世代で、コミュニケーションツールをはじめとするデジタルツールのユーザーであり、デジタルイノベーションの現状をよく把握できているからです。
それらを自社の事業に活用し、ビジネスモデルを丸ごと作り変えているのです。
代替わりをして業績が好調な若手経営者は、ライバル企業の経営者がデジタル化についてこられないうちに、自社の販路を拡大するべく積極展開しています。
そうした登り調子の後継ぎ経営者にとって、いちばん起きてほしくない変化は、競合の経営者が交代して若返ることなのです。
ライバルに先んじてどれだけデジタル社会の恩恵を受けられるか否かが、自社の未来にとって死活問題だということです。
選手交代
経営者のあなたが、自分ではもはやデジタルイノベーションに対応できないと自覚するなら、一刻も早く得意な人物に事業運営を託しましょう。
もし現在の経営幹部の中から後継者を選ぼうとしているなら、デジタル環境を味方につける若い経営者たちと伍していける人物でなければ、考え直すべきです。
今や大企業も、プログラミングを理解している経営者でなければ舵取りできないと呟かれるほどです。
これまでの価値観で後継者を選んでしまうと会社を危うくします。
自社の未来を切り拓いてくれる後継者候補は、デジタル社会に精通している人、可能性としては若い世代から選ぶべき、ということになります。
10年後のビジネス環境は誰にもわからなくとも、デジタルイノベーションを積極活用できる経営者にしか、事業運営が立ち行かなくなることだけは確かなのです。
追伸:
自社の10年後のために必須の備え

脇田 優美子
